恵(漢字)

普及版 字通 「恵(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)惠
人名用漢字 12画

[字音] ケイ・エ(ヱ)
[字訓] めぐむ・いつくしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
旧字は惠に作り、(けい)声。〔説文〕四下に「仁なり」と訓し、字を会意とする。金文を恵の意に用い、のち心を加えて惠となった。上部を括った(ふくろ)の形で、これを恵の意に用いるのは仮借。恵は金文に「を惠(つつし)む」「祀を惠(つつし)む」のように用い、それより仁恵の意に転じた。

[訓義]
1. つつしむ、したがう。
2. めぐむ、いつくしむ。
3. 美しい、かざる、よい。
4. 発語の助辞、これ。
5. 慧(けい)と通じ、さとい。
6. みつめ矛。

[古辞書の訓]
名義抄〕惠 メグム・アタフ・ウツクシブ・シタガフ・キミ・タクム・アハレブ・アイス・オモフ・タノシム 〔字鏡集〕惠 ウツクシブ・サトシ・サダム・サグル・キミ・サトル・トシ・サヤカナリ・タノシム・サカシ・アハレブ・アイス・オモフ・アタフ

[声系]
〔説文〕に惠声として(すい)など四字を収める。の二字は声が異なり、惠声とすることに疑問がある。穗(穂)の初文は(采)、〔説文〕にその重文として穗を録する。金文の字形の上部に三つの括り口を作るものがあり、惠は麦の穂の形をにみたてた字であろう。五下に「(ふくろ)の紐なり」とあるのも、その括り口の紐であろう。〔書、顧命〕「二人雀弁し、惠を執る」の〔伝〕に「惠は三隅矛なり」とあるのは、その三矛の形による命名であろう。

[熟語]
恵愛恵渥・恵育・恵雨・恵益・恵音・恵下・恵函・恵寛恵鑒・恵気・恵義・恵教・恵・恵君・恵訓・恵言恵顧・恵口・恵巧・恵思・恵施・恵賜・恵示恵慈恵赦恵恤・恵術・恵順・恵潤・恵書・恵・恵心・恵人恵綏・恵政・恵声恵然・恵沢・恵中・恵弔・恵念恵愍恵撫・恵風・恵問・恵与・恵養恵賚恵利・恵臨・恵和
[下接語]
愛恵・恩恵・温恵・嘉恵・寛恵・敬恵・互恵・孝恵・厚恵・慈恵・柔恵・小恵・仁恵・知恵・智恵恵・天恵・徳恵・特恵・敏恵

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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