精選版 日本国語大辞典 「怪我」の意味・読み・例文・類語
け‐が【怪我】
〘名〙 (「怪我」はあて字で、「けがる」の語幹かというが未詳)
① あやまちをしでかすこと。そそうをすること。また、その事柄。あやまち。過失。
※御伽草子・酒呑童子(室町末)「心ゆるしてけがするな」
※浮世草子・好色一代男(1682)六「一座のさばき終に怪我を見付ず、どこやらよき風義そなはりぬ」
② 思いがけず傷つくこと。過失によって負傷すること。また、その負傷。きず。
※虎明本狂言・痩松(室町末‐近世初)「やれおのれははしたなひ女じゃ、おこせひならはやらふ、けがをするな」
③ 思いがけない事態。不測の結果。偶然。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)五「さやうに遊ばしましたらけがで長逗留なされませふ程に」
④ 江戸時代の法律用語。広義と狭義の二種があり、前期には無意犯全部、すなわち過失犯と偶然の出来事の両者を含む広義に用いられたが、後期には過失犯だけをさす狭義に用いられた。〔禁令考‐後集・第四・巻三一(1741頃)〕
⑤ 取引相場で、損失をいう語。〔模範新語通語大辞典(1919)〕
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