性禅(読み)しょうぜん

朝日日本歴史人物事典 「性禅」の解説

性禅

生年生没年不詳
鎌倉末期の曹洞宗の尼でその支援者。能登国鹿島郡酒井保(石川県羽咋市)の地頭酒井章長の娘で,羽咋郡中河村(羽咋市)の地頭酒匂頼親の妻。曹洞宗瑩山紹瑾門流の根本寺院のひとつ,能登永光寺の開基祖忍の母。娘の祖忍に続いて紹瑾に師事して出家し,永光寺山内の蔵荊庵に居住。元亨3(1323)年,羽咋郡湊保,越中国(富山県)安奴荘の田地を,同寺の常住僧食料,塔頭影供料として寄進し,教団維持に尽くした。紹瑾はこの大檀越としての恩に報いるため,彼女の逝去後は月忌,正忌を末代まで勤行して回向するようにとの遺誡を残している。<参考文献>『永光寺文書』,曹洞宗尼僧史編纂会編『曹洞宗尼僧史』

(牛山佳幸)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android