性別役割分業(読み)せいべつやくわりぶんぎょう

世界大百科事典(旧版)内の性別役割分業の言及

【ジェンダー】より

…このジェンダーという概念はその後,女性の視点から学問を見直す運動(女性学)に広く取り入れられ,近代科学や近代西欧社会の歴史の中で,性別・性差についての認識がとのような役割を果たしてきたかに関するさまざまな研究を生んでいる。またこの言葉は,固定的性別観と性別による固定的な役割分業(性別役割分業)自体が男女の不平等を生み出すゆえにそれをなくしていかなければならないという女子差別撤廃条約(1979年国連総会採択)に基づく世界各国の女性政策にも取り入れられている。【江原 由美子】。…

【女性運動】より

…しかし,女性運動におけるより大きなそして長期にわたる対立は,家族をめぐるそれであった。家族は,一面では男女の性別役割分業と性格形成を通して性差別を維持し再生産してきたが,他面では女性の生活保障の場でもあった。家族の性差別的構造を批判して家族の紐帯を弱めていくのか,家族の枠組みを強化しそのなかで女性の生活改善を図るのかで,運動の方向は分かれる。…

【女性史】より

…日本でも1970年代には,従来の女性史研究は,女性解放と社会主義の実現とを短絡させ,傑出した女性の羅列や女性解放運動の歴史にしてしまったという批判がだされ,その結果普通の女性の生活史に目が向けられ,〈聞書き〉による個人史の発掘も行われた。 1975年の国際婦人年に性別役割分業批判が提起されたのを契機に,性別役割分業の実体とそれを支えてきた〈男らしさ,女らしさ〉の意識の形成と分析が,女性史の課題とされた。また,身体的性差〈セックス〉と区別された社会的に構成された性差〈ジェンダー〉という概念が導入され,ジェンダー視点からの女性史研究が求められるようになった。…

※「性別役割分業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」