念誦(読み)ねんじゅ

精選版 日本国語大辞典 「念誦」の意味・読み・例文・類語

ねん‐じゅ【念誦】

〘名〙 仏語。仏の加護を祈り、経文や仏の名号または真言などを口に唱えること。密教では、念は心、誦は口のはたらきであるが、広く身・口・意にわたる三密の行と解する。念仏誦経。念珠(ねんじゅ)。ねんず。
続日本紀‐天平宝字二年(758)八月丁巳「冝天下諸国〈略〉念誦摩訶般若波羅密
太平記(14C後)二五本堂の縁に寄居つつ、閑に念誦(ネンジュ)して心を澄したる処に」

ねん‐ず【念誦】

※宇津保(970‐999頃)楼上下「仏の御日、内侍のかみ、御堂に詣で給て、念ずし給」

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デジタル大辞泉 「念誦」の意味・読み・例文・類語

ねん‐じゅ【念×誦】

[名](スル)仏語。心の中で仏に祈り、口に仏の名号みょうごうや経文などを唱えること。念仏誦経ねんぶつじゅきょう。ねんず。

ねん‐ず【念×誦】

[名](スル)ねんじゅ(念誦)

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普及版 字通 「念誦」の読み・字形・画数・意味

【念誦】ねんじゆ・ねんしよう

読経。〔鶴林玉露、丙四、日本国僧〕予(われ)少年の時、鍾陵に於て日本國の一邂逅(かいこう)す。名は安覺。自ら謂ふ、其の國を離れて已に十年なり。盡(ことごと)く一部の經を記して、乃ち歸らんと欲す。念誦甚だしみ、晝夜を舍(お)かず。

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