応用科学(読み)おうようかがく(英語表記)applied science

日本大百科全書(ニッポニカ) 「応用科学」の意味・わかりやすい解説

応用科学
おうようかがく
applied science

工学理論として使用できるように自然科学的成果が再整理、体系化されたものをいう。真理の探究自体を目的とし実用上の目的をあらかじめ設定しないことをたてまえとする基礎科学と対比される。工学では、ある特定の生産技術の開発や改良が目的とされ、それに沿って自然科学的成果、社会科学的成果、もしくは技術上の経験的成果が独自の方法の下に体系化される。応用科学という用語は自然科学の体系化にかかわって用いられる。

 たとえば、金属材料強度を扱う工学において、物理学の一領域として理論体系を形成している弾性体力学や金属物性論や量子物理学などが適宜利用される。工学のある領域の基礎理論を記述する際、自然科学の理論によって演繹(えんえき)的な形で展開される場合に、その記述体系を応用科学とよぶ。

[髙山 進]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android