応接に暇あらず(読み)おうせつにいとまあらず

精選版 日本国語大辞典 「応接に暇あらず」の意味・読み・例文・類語

おうせつ【応接】 に 暇(いとま)=あらず[=なし]

いちいち応じているいとまがない。美しい景物などがたくさんあるさま、また、物事が次から次へ立て続けに起こって非常に忙しいさまなどの形容
舞姫(1890)〈森鴎外〉「許多の景物目捷の間に聚まりたれば、始めてここに来しものの応接に遑なきも宜なり」 〔世説新語言語

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

故事成語を知る辞典 「応接に暇あらず」の解説

応接に暇あらず

いちいち応じているいとまがない。ものごとが次から次へ立て続けに起こって、非常に忙しいこと。

[使用例] 塩野は入って来る知人の応接に暇もなくあちらへったり戻ったり絶えずした[横光利一旅愁|1937~46]

[由来] 「世説新語―言語」に載せる、四世紀の中国の書家おうけんのことば。現在のせっこうしょうこう市あたりは、美しい山や川が次々に現れて、美しい風景が続く土地。そのことを、「人をして応接に暇あらざらしむ(旅人一つ一つ観賞している余裕を与えないほどだ)」と、絶賛しています。ここから、もともとは、美しい景物が続くようすを指しましたが、現在では、ものごとが立て続けに起こる場合によく使われます。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android