志道軒（読み）しどうけん

精選版 日本国語大辞典

しどうけん シダウケン【志道軒】

江戸中期の講釈師。深井氏。俗称、新蔵。号は栄山、無一。もと真言宗の僧侶。僧籍を捨て、浅草の地内などで艷色を帯びた講釈を行ない、人気を得た。平賀源内（風来山人）作「風流志道軒伝」などのモデルとなった奇人。延宝八～明和二年（一六八〇‐一七六五）

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

しどうけん〔シダウケン〕【志道軒】

⇒深井志道軒ふかいしどうけん

出典　小学館

日本大百科全書(ニッポニカ)

志道軒
しどうけん
（？―1765）

江戸中期の講釈師。本名深井新蔵。一無堂栄山とも号す。12歳で僧籍に入り、隆光(りゅうこう)の下で修行したが、還俗(げんぞく)し、享保(きょうほう)（1716～36）のころから浅草三社権現(ごんげん)前のよしず張りの中で講釈を行った。手に陰茎に似た棒を持ち、男女交合のさまなどを仕方で演ずるという猥雑(わいざつ)さで、2世市川団十郎と並ぶ江戸の名物と称せられた。その一方、大名高家に出入りし、政治批判なども行った見識の持ち主でもあった。『元無草(もとなしぐさ)』などの書もある。彼をモデルとする作品に風来山人(ふうらいさんじん)こと平賀源内の滑稽本(こっけいぼん)『風流志道軒伝』（1763）がある。志道軒の名は3代まであるが、記すほどのことは伝わらない。

［延広真治］

志道軒

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

志道軒 しどうけん

⇒深井志道軒(ふかい-しどうけん)

出典　講談社