志戸呂焼(読み)しとろやき

精選版 日本国語大辞典 「志戸呂焼」の意味・読み・例文・類語

しとろ‐やき【志戸呂焼】

〘名〙 静岡県島田市志戸呂から産出する瀬戸焼風の陶器遠州七窯一つとして有名茶器を主として、酒瓶、水飴瓶、徳利などの実用品がある。しころやき。〔本朝陶器攷証(1857)〕

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デジタル大辞泉 「志戸呂焼」の意味・読み・例文・類語

しとろ‐やき【志戸呂焼】

遠江とおとうみ国志戸呂から産した瀬戸焼ふうの陶器。寛永年間(1624~1644)小堀遠州意匠導入遠州七窯えんしゅうなながまの一。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「志戸呂焼」の意味・わかりやすい解説

志戸呂焼
しどろやき

静岡県島田市の陶窯。開窯については諸説あるが、江戸時代初頭には確実に存在していたことが寛永(かんえい)4年(1627)の銘のある葉茶壺(つぼ)によって知られる。陶技の面からは瀬戸焼の傘下にあり、桃山時代(16世紀末)には茶壺、鉢、皿、天目茶碗(てんもくぢゃわん)、徳利などが瀬戸と同じ黒褐釉(ゆう)と灰釉をかけて焼造され、江戸時代に入ると(17世紀)茶具よりもむしろ日常雑器をおもに製造するようになった。志戸呂焼を有名にしたのは、江戸初期の茶人小堀遠州にまつわる遠州七窯(なながま)の一つに列挙されてからだが、その選定は江戸末期らしく、遠州と志戸呂焼の結び付きを認める資料はないようである。なお、窯の伝統は今日も守られている。

[矢部良明]

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「志戸呂焼」の解説

志戸呂焼[陶磁]
しとろやき

東海地方、静岡県の地域ブランド。
島田市で製作されている。茶人・小堀遠州に好まれ、遠州七窯の一つにも数えられる。渋みと深みを併せ持つ古代色豊かな風情が特徴。志戸呂焼の歴史は、15世紀後半は天目茶碗の時代、16世紀後半は筒茶碗・徳利・香炉の時代、17世紀前半から明治時代にかけては黒釉の壺・瓶・椀・皿の時代と大きく三分される。現在では、抹茶や煎茶の茶器を主として生産。静岡県郷土工芸品。

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デジタル大辞泉プラス 「志戸呂焼」の解説

志戸呂焼

静岡県島田市の金谷地区で生産される焼物。「しとろやき」と読む。製造の起源は定かではないが、室町時代に遡るとされる。江戸時代の茶人、小堀遠州により“遠州七窯”の一つに数えられて全国的に有名になった。静岡県郷土工芸品に指定されている。

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