心土(読み)シンド

デジタル大辞泉 「心土」の意味・読み・例文・類語

しん‐ど【心土】

耕地下層をなす土壌。耕したときすき返されない層の土。⇔作土

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精選版 日本国語大辞典 「心土」の意味・読み・例文・類語

しん‐ど【心土】

〘名〙 田畑の作土または表土の下層にある土壌。たがやした際に、すきかえされない部分の土。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「心土」の意味・わかりやすい解説

心土
しんど

土壌の断面を縦にみると、上部に普通黒みを帯びて崩れやすく植物の根のよく張った作土(表土)があり、その下に普通の耕起では攪拌(かくはん)されない、緻密(ちみつ)で硬く上部より明るい色をした層が続いてみられる。心土とはこの作土より下の層のことをいう。下層土同義語であるが、通常、作土に対して心土、表土に対して下層土とよぶことが多い。水田土壌の場合は作土と心土の間に粘土が凝集して硬く白っぽい色をした鋤床(すきどこ)層が挟まっている。心土に盤層があったり緻密な場合は、透水性の改善と作物根の下層への伸長を容易にするため、機械による心土耕、心土破砕などの土層改良が施工される。

[小山雄生]


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改訂新版 世界大百科事典 「心土」の意味・わかりやすい解説

心土 (しんど)
subsoil

一般には植物根のはびこる作土または表土より下方の土層をいうが,農地とくに水田ではすき床より下方の土層を指すこともある。下層土とほぼ同義。作土より有機物が少なく,土の色は明るいのがふつうである。心土の性質は根の伸長,排水条件,地耐力などを左右し,また養水分貯蔵庫として重要である。近年は大規模な土地改変のために,心土が直接地表に露出する場合が増えている。
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百科事典マイペディア 「心土」の意味・わかりやすい解説

心土【しんど】

作土の下層にあって耕具によって攪拌(かくはん)されない部分。下層土とほぼ同義。ふつう土壌粒子間のすき間の割合が小さく緊密で,作物の根系の分布は作土に比べてはるかに少ない。作物の生育に対して,心土の物理的・化学的性質が大きな影響をもつ場合が少なくない。
→関連項目床締め

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心土」の意味・わかりやすい解説

心土
しんど

作物栽培の立場からみた土層の呼び名で,耕作された部分 (作土) の下の層をいう。作土に比べ有機物の含量が低く,一般により緻密である。植物根は太い支持根は別として吸収根はほとんど存在しないかまたは少いが,養水分の貯蔵庫である。B層またはC層の一部が相当する。

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