徳願寺(読み)とくがんじ

日本歴史地名大系 「徳願寺」の解説

徳願寺
とくがんじ

[現在地名]静岡市向敷地

向敷地むこうしきじ地内の西方、山の中腹に位置する曹洞宗寺院。大窪山と号し、本尊は行基作という千手観音。江戸期になるまで得願寺と書かれている。開山は明応八年(一四九九)没の天叟祖寅、二世が文亀二年(一五〇二)没の興国玄晨とされるが、祖寅は当地にきたことはなく、玄晨は桃源とうげん(現沼津市)を開山した人物である(修訂駿河国新風土記)。これらは貞享年間(一六八四―八八)桃源院との本末論争の結果、当寺が本寺となったことで唱えられたもので、事実上の開山は文明年間(一四六九―八七)の三世越渓麟易とされる(静岡県の古寺)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報