微(漢字)

普及版 字通 「微(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音]
[字訓] そぐ・なし・かすか・ひそか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(び)。は媚蠱(びこ)をなす巫女を殴(う)って、敵の呪能を弱め、失わせる共感呪術的な方法をいう。それは速やかに伝達させるために道路で行われ、また陰微のうちに行われた。本義は、敵の呪的な力を減殺(げんさい)することをいう。媚女を戈(ほこ)にかけて殺すことを蔑(べつ)といい、蔑もまた「蔑(な)くする」こと、「蔑(かろ)んずる」ことをいう。・蔑は相似た呪的な行為をいう字である。

[訓義]
1. そぐ、なくする、よわめる。
2. かすか、ほのか、わずか、すくない、おとろえる。
3. ひそか、かくれる、のがれる。
4. こまかい、くわしい、ほそい。
5. かける、おとろえる、いやしい。
6. なし、あらず、なかりせば。

[古辞書の訓]
和名抄風 古加世(こかぜ) 〔名義抄 ホノカニ・ハギヤブル・スコシ・ウルハシ・スコシキ・アラズ・ナシ・ミチ・シバラク・トラフ・カクル・ヒソカニ・ミソカニ・カシコマル・ツヒユ・オボツカナシ・ウカメク・ヲサナシ・イヤシ・トモシ・ヨロシ・ホソシ・キヨシ・スクナシ・イクバク・ヨシ・ヤウヤク・シヅカナリ・スコブル

[語系]
miuiは非・匪piuiと声近く、はもと有無の「なし」の条件形に用いることが多い。〔論語、憲問〕「管仲(な)かりせば」、〔左伝、僖三十年〕「夫(か)の人の力かりせば」のように用いる。陰微の意より微細の意となる。miuiは同声。〔説文〕十一上に「小雨なり」とあり、微雨をいう。尾miuiも微細の意がある。また、眉・美miei、靡miaiは、かすかで美しい意がある。

[熟語]
微痾・微意・微員・微陰・微隠・微雨・微雲・微影・微遠微婉・微温微瑕・微過微哦・微介微戒微諫・微官・微寒・微儀微躬微禽微吟・微・微・微径・微計・微月・微微譴微愆・微言微孤・微紅・微功・微光・微香・微巧・微行・微恨・微細微罪・微察・微志・微旨・微指・微時・微辞・微事・微疾・微失・微者・微弱微笑・微詳・微霄・微小・微忱微塵・微酔・微誠・微雪・微賤・微繊・微・微中・微衷・微睇・微・微灯微動・微波・微白・微薄・微班・微鄙・微微・微眇微風・微服・微物・微文・微歩・微芳・微俸・微謀・微・微末・微妙・微命・微・微要・微恙・微陽・微瀾・微利・微涼微力・微綸・微・微労・微禄・微論・微和
[下接語]
依微・隠微・淵微・微・煙微・寒微・希微・幾微・機微・熹微・窮微・極微・軽微・研微・涓微・顕微・孤微・忽微・細微・察微・至微・紫微・式微・識微・慎微・衰微・翠微・精微・析微・積微賤微・繊微・爪微・側微・太微・単微・通微・入微・霏微・貧微・扶微・密微・妙微・明微・幽微

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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