御陰・御蔭(読み)おかげ

精選版 日本国語大辞典 「御陰・御蔭」の意味・読み・例文・類語

お‐かげ【御陰・御蔭】

〘名〙 (「お」は接頭語)
神仏のたすけ。加護(かご)
※虎明本狂言・鬼瓦(室町末‐近世初)「思ひの外はやうおいとまを下され、仕合のよひもおかげじゃと思ふ」
② 人からうけた力ぞえやめぐみ、また、利益。また、ある物事や行為が原因となって生じた結果。
今昔(1120頃か)一四「我が此の寺に平安に住(ぢう)す事は、此の殿の御影(おかげ)也」
③ (②から転じて) 他から受けるよくない影響についていう。
滑稽本浮世床(1813‐23)初「汝が様になまけては、発市(うりだし)たくも製本(しこみ)が出来ず〈略〉お蔭で書舗(ほんや)はすっぺらぽん也」
④ 「おかげまいり(御蔭参)①」の略。
随筆半日閑話(1823頃)一二「伊勢参宮流行。〈略〉童謡『縞さん、紺さん、花色さん、中乗さん、お江戸さん、おかげてなぬけたとサ』」

み‐かげ【御陰・御蔭】

〘名〙 (「み」は接頭語)
① 蔭(かげ)となるところ。→天の御蔭
② 神・天皇・貴人などから受けた恩恵。おかげ。
菟玖波集(1356)賀「夏山の霞くもらぬ夜半の月 みかげをしげみ万代をすめ〈藤原定家〉」
頭髪にさす、かつらを敬っていう語。
書紀(720)持統元年三月「華縵を以て殯宮に進る。此を御蔭(みかげ)と曰す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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