御重（読み）おかさね

精選版 日本国語大辞典

お‐かさね【御重】

〘名〙 (「お」は接頭語)

① 「重ねること」の丁寧語。

② 女房詞。

(イ) 単衣(ひとえ)をいう。

※女房躾書（室町末）「ひとへ物をは、おみとり共おかさね共いふ」

(ロ) 衣服の浅葱無垢(あさぎむく)のものをいう。〔女中言葉（1712）〕

③ かさね餠。鏡餠。

※東京年中行事（1911）〈若月紫蘭〉五月暦「神輿が〈略〉、其前には沢山の寄進のお重(カサ)ねが飾って有って」

④ 子供が物をもらいたい時、手を重ねること。

※雑俳・玉の光（1844‐45）二「なんでもこい・おかさねもよふできますなア」

お‐じゅう ‥ヂュウ【御重】

〘名〙 (「お」は接頭語。「重」は「重箱(じゅうばこ)」の下略) 「重箱」を丁寧にいった女性語。

※人情本・娘太平記操早引（1837‐39）二「何ぞ、お重(ヂュウ)のおうつりは御座りませんかッ」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

お‐じゅう〔‐ヂユウ〕【^▽御重】

重箱を丁寧にいう語。もと女性語。
[類語]重箱・組み重・重ね重・わりご・入れ子

出典　小学館

食器・調理器具がわかる辞典

おじゅう【御重】

「重箱」の丁寧な言い方。◇もと女房ことば。⇒重箱

出典　講談社