御辞儀(読み)おじぎ

精選版 日本国語大辞典 「御辞儀」の意味・読み・例文・類語

お‐じぎ【御辞儀】

〘名〙 (「お」は接頭語)
辞儀を丁寧にいう語。
(イ) あいさつ、またはあいさつの言葉。
狂言記・吟聟(1660)「おもしろいおじぎが御ざりまする」
(ロ) 遠慮すること。辞退すること。
※浮世草子・御前義経記(1700)一「今此の水(すゐ)な世の中に、おじぎはことによるぞかし」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「サアサアお辞義(ジギ)なしにお上んなさい」
② 頭を下げて礼をすること。頭を下げてするあいさつ。
随筆・北越雪譜(1836‐42)二「余愕然(びっくり)山水を棄て此娘を視るに一揖(オジギ)をして去り」
③ (相手に頭を下げることによって得るところから) たいこもちなどが客からもらう祝儀
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「お辞儀の百疋が、あはよく三坐敷も重ると」
④ (頭を下げるという行為の持つ意味から)
(イ) 商店などが失敗して閉店すること。
(ロ) 相手に降参すること。
(ハ) 取引相場で、債権者に泣きつくこと。
⑤ (頭を下げる動作を見立てて) こっくりこっくり居眠りすること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「御辞儀」の意味・読み・例文・類語

お‐じぎ【御辞儀】

[名](スル)《「辞儀」の美化語
頭を下げて礼をすること。頭を下げてするあいさつ。「深々とお辞儀する」
辞退。遠慮。
ぜんをすゑるものを―は無躾ぶしつけだのと」〈滑・浮世風呂・二〉
あいさつ。
「おもしろい―がござりまする」〈狂言記・吟じ聟〉
[類語](1一礼一揖いちゆう会釈えしゃく黙礼敬礼最敬礼叩頭こうとう叩首こうしゅ低頭拝礼目礼答礼握手

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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