御用聞(読み)ごようきき

精選版 日本国語大辞典 「御用聞」の意味・読み・例文・類語

ごよう‐きき【御用聞】

〘名〙
得意先を回って注文を聞いたり、その用を足したりすること。また、その人。
浄瑠璃栬狩剣本地(1714)一「お出入商人御用聞、職人迄我も我もと進上物」
江戸時代目明(めあか)しの俗称。岡っ引き。
半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂〉石燈籠「私どものことを世間では御用聞(ゴヨウキ)きとか岡っ引とか手先とか勝手に色々の名を付けてゐるやうですが」
おきく物語(1678頃)「今は御用ききのたたみ屋とて、此やくかうふる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御用聞の言及

【御用達】より

…江戸時代,幕府や諸藩の需要を賄う出入りの商人,職人のことで,御用聞,御賄などとも呼ばれた。幕府の金座,銀座の座人や,金銀為替組,呉服所,菓子所,廻船御用達,あるいは諸藩の掛屋蔵元などは御用達の代表といえよう。…

【目明し】より

…江戸時代に諸役人の手先になって,私的に犯罪の探査,犯罪者の逮捕を助けたもの。岡引(おかつぴき),御用聞,小者,手先ともいう。目明しとは目証(めあかし)の意味で,犯罪者に同類たる共犯者を密告させ,その犯罪を証明させたことに由来する。…

※「御用聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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