御史(読み)ぎょし

精選版 日本国語大辞典 「御史」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐し【御史】

〘名〙
中国官名。秦漢時代には秘書監察にあたったが、その後はもっぱら、官吏糾弾・監察をつかさどった。
随筆・孔雀楼筆記(1768)四「御史は吾国唐土ともに、執法の職にて、人のをそれはばかるものぞ」 〔周礼春官・御史〕
弾正台(だんじょうだい)唐名。〔落葉集(1598)〕

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デジタル大辞泉 「御史」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐し【御史】

古代中国の官名。古くは君主近侍する史官であったが、代以後には主として官吏の監察に当たった。
弾正だんじょう唐名

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普及版 字通 「御史」の読み・字形・画数・意味

【御史】ぎよし

古くは天子秘書官。〔周礼、春官、御史〕民の治令を掌り、以て冢宰を贊(たす)く。のち官吏の監察を主とする職となる。〔唐語林、八〕は不法を彈奏し、外を肅することを(つかさど)る。

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世界大百科事典(旧版)内の御史の言及

【暗行御史】より

…朝鮮,李朝時代の臨時官職の一つで,地方官の不正摘発,地方民情の探索を任務とした。御史とは臨時官職の総称であるが,中宗時代(16世紀前半)に暗行御史が初めて記録に現れ,盛んに派遣されるのは李朝後期に入ってからであり,1892年まで続いた。その身分は国王直属であり,国王から暗行御史としての命を受けた者は,帰宅することも許されずに直ちに出発し,ソウル門外に至って命令書を開封して初めてその任務地等を知った。…

【御史台】より

…中国,戦国時代,御史は王に直属する書記官(史官)で,秦・前漢では皇帝に属する秘書官であった。長官は御史大夫で副丞相となり,政策の細目を立案し,御史丞が御史30人をひきい,御史大夫寺にあってこれを助けた。…

【御史大夫】より


[中国]
 官名。御史とは語源的には君主側近の書記であるが,漢代以降監察官の名となり,その役所を御史台といい,長官を御史大夫という。唐制では従三品。…

【中国】より

…あるのは県だけで,それをいくつかずつくくった単位が府である。別に,中央政府に対しては給事中,地方に対しては御史,という監察機構が置かれている。官(後述の〈吏〉に対していう)は,府・州・県の最末端の官にいたるまで,すべて中央より定期的に派遣される(任期は3年)。…

※「御史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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