得分・徳分(読み)とくぶん

精選版 日本国語大辞典 「得分・徳分」の意味・読み・例文・類語

とく‐ぶん【得分・徳分】

〘名〙
① 自分のもらう分。とりぶん。わけまえ。
権記‐長保三年(1001)三月二八日「予得分五巻之中手自書写一巻」
② 自分の得になること。利益。もうけ。
無名抄(1211頃)「我為面目ありしたびの事ながながと書き続けて侍こそをかしく、されどこの文の得分に、自讚少々まぜてもいかが侍らん」
③ 特に、荘園領主荘官地頭などが得る収益。地利得分とも。
※権記‐長保四年(1002)三月二九日「要劇田皆有本得分、故茂親朝臣為郷之時領知也」
④ (徳分) 徳として身についているもの。
帰郷(1948)〈大仏次郎牡丹の家「何もしないでゐて一代を暮して行ける自信は生れつきのものらしく、根が坐って、それを徳分と信じ切ってゐる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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