徒跣(読み)とせん

精選版 日本国語大辞典 「徒跣」の意味・読み・例文・類語

と‐せん【徒跣】

〘名〙 履物をはかないで歩くこと。かちはだし。はだし。
※治承元年公卿勅使記(1177)九月一五日「次中臣着前石壺。徒跣」
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉四「厳冬風雪の中に徒跣して」 〔礼記‐喪大記〕

かち‐はだし【徒跣】

〘名〙 履物をはかないで歩くこと。はだし。
平家(13C前)一二「大覚寺より六波羅までかちはだしにてぞ走ける」

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デジタル大辞泉 「徒跣」の意味・読み・例文・類語

と‐せん【徒×跣】

[名](スル)はだしで歩くこと。素足すあし
王者は―してここに来り」〈鴎外訳・即興詩人

かち‐はだし【×跣】

履物をはかないで地面を歩くこと。はだし。
ズボンを膝の上までたくし上げ、靴をぶら提げて―になっていたが」〈谷崎細雪

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普及版 字通 「徒跣」の読み・字形・画数・意味

【徒跣】とせん

すあし。〔後漢書、皇后下、献帝伏皇后紀〕后、被髮徒跣、行(ゆくゆく)泣きて訣して曰く、復(ま)た相ひ活かすこと能はざるかと。曰く、我も亦た、命の何(いづ)れの時に在るかを知らずと。

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