徐敬徳(読み)じょけいとく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「徐敬徳」の意味・わかりやすい解説

徐敬徳
じょけいとく
(1489―1546)

朝鮮、李朝(りちょう)中期の哲学者。京畿道(けいきどう)唐城の人(出生地は開城)。字(あざな)は可久、号は花潭(かたん)。科挙のための勉強を嫌い、自分で納得するまで考える自得と客観的事物の認識を早くから心がけた。この下地のうえに中国北宋(ほくそう)の張横渠(ちょうおうきょ)(張載)、邵康節(しょうこうせつ)(邵雍(しょうよう))の学説の影響を受け、朝鮮で初めて気一元論の唯物論(無神論)的で弁証法的な哲学を打ち立てた(「原理気」「鬼神生死論」)。南宋の朱子(しゅし)の学説を承知したうえでの気一元論であることが新しい。著書『花潭集』。

[小川晴久 2016年10月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徐敬徳」の意味・わかりやすい解説

徐敬徳
じょけいとく
Sǒ Kyǒngdǒk

[生]成宗20(1489)
[没]明宗1(1546)
朝鮮,李朝初期の儒学者。字は可久。号は花潭,復斎。京畿道開城の人で,早くから学問を志し,朱子学の理元論に反対して気元論を主張した。著書に『花潭集』がある。

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