後藤英一(読み)ごとうえいいち

百科事典マイペディア 「後藤英一」の意味・わかりやすい解説

後藤英一【ごとうえいいち】

電子工学者・物理学者。東京都出身。東京大学理学部物理学科卒業。東京大学理学部助教授などを経て,1970年に同大学理学部教授となる。この間,大学院時代の1954年に電気回路素子(論理素子)であるパラメトロン発明。1958年にはパラメトロン計算機であるプログラム内蔵コンピューター〈PC‐1〉を完成させた。1968年からは理化学研究所の主任研究員を兼務し,100近くの特許を書いたといわれる。東京大学名誉教授。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「後藤英一」の解説

後藤英一 ごとう-えいいち

1931-2005 昭和後期-平成時代の情報科学者。
昭和6年1月26日生まれ。40年母校東大の教授となる。43年から理化学研究所主任研究員をかね,平成3年神奈川大教授。昭和29年電子回路素子パラメトロンを発明,のち電電公社(のちNTT)電気通信研究所と共同でパラメトロン計算機を製作。61年ジョセフソン素子と結合した量子磁束パラメトロンを開発した。平成17年6月12日死去。74歳。東京出身。

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世界大百科事典(旧版)内の後藤英一の言及

【コンピューター産業】より


[日本のコンピューター産業]
 日本でのコンピューター研究は,1952‐53年ころから一部の研究者の間で行われるようになった。54年に後藤英一が真空管より性能のよいパラメトロンを発明し,研究はパラメトロン式とトランジスター式が並行して進められた。前者によるコンピューターに57年開発の武蔵野I号,後者に56年開発のETL・マークIII,57年完成のETL・マークIVがある。…

※「後藤英一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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