後方散乱(読み)コウホウサンラン

デジタル大辞泉 「後方散乱」の意味・読み・例文・類語

こうほう‐さんらん〔コウハウ‐〕【後方散乱】

粒子線放射線が入射方向に対して90度以上の角度散乱されること。散乱角は照射対象となる散乱体の内部構造を反映するため、化学分析などに用いられる。

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化学辞典 第2版 「後方散乱」の解説

後方散乱
コウホウサンラン
backscattering

粒子または放射線のビームが障害物質によって散乱を受け,散乱角がビームの方向に対して90°以上の角度をもつ場合をいう.たとえば,放射性同位元素の放射能測定の際に,いったん検出器と逆の方向に放出された粒子であっても,試料支持物による後方散乱のため戻ってきて検出されることがある.この割合は,支持物質の種類および厚さによってかわるので,このことを利用してめっきの厚さを測定したり,適当な予備実験をしておくことにより,合金の組成比などを非破壊で測定することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報