後安（読み）うしろやすし

精選版 日本国語大辞典

うしろ‐やす・し【後安】

〘形ク〙

① 安心である。特に、あとのことに心配がない。心残りがない。うしろがるし。うしろめやすし。

※後撰（951‐953頃）恋一・五七三「別れをば悲しき物と聞きしかどうしろやすくもおもほゆる哉〈よみ人しらず〉」

② 信頼がおける。たのもしい。かくしへだてのない。ありのままである。

※宇津保（970‐999頃）国譲上「民部卿心ひろくうしろやすき人なり」

[補注]「うしろめたし」「うしろめたなし」の対義語として用いられるが、中世以降はあまり用例を見ない。

うしろやす‐げ

〘形動〙

うしろやす‐さ

〘名〙

出典　精選版 日本国語大辞典