日本大百科全書(ニッポニカ) 「彼岸(暦、気象)」の意味・わかりやすい解説
彼岸(暦、気象)
ひがん
春分・秋分の日を挟んで前後3日ずつ、計7日の間を彼岸、初日を彼岸の入り、終日を彼岸の明け、春分の日・秋分の日を中日という。彼岸は日本独特の暦注で、元来、暦家の説にはなかった。平安時代仏家からいいだして暦に記載するようになった暦の雑節の一つである。彼岸の中日は太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜の長さが等しいので「時正(じしょう)」ともいう。
[渡辺敏夫]
気象
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるが、これとともに、春の彼岸も秋の彼岸もこのころは風に注意が必要である。すなわち春の彼岸は「彼岸涅槃(ねはん)の石起こし」という俚諺(りげん)があるように、台風なみの暴風雨となることもあり、琵琶(びわ)湖南部で吹く比良八荒(ひらはっこう)もこの風である。秋の彼岸の入りと明けのころは、大型台風来襲の特異日である。
[根本順吉]
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