役負百姓(読み)やくおいびゃくしょう

世界大百科事典(旧版)内の役負百姓の言及

【百姓】より

…これらの隷属的・半隷属的弱小農民は,自立した百姓としての地位をいまだ確立していなかった。初期においては,年貢(生産物地代)はたてまえとして高請農民全体に賦課されていたが,夫役(ぶやく)(労働地代)は役負百姓(やくおいびやくしよう)が負担し,村内上層の有力農民が役負百姓とされた。そのため村請年貢の実際上の負担責任者が役負百姓となり,初期の名寄(なよせ)帳(村請年貢納入のための村内土地台帳)においては,役負百姓だけが登録されて,弱小高請農民は除外されていた。…

【本百姓】より

…日本の近世期,領主権力の基礎として掌握された百姓。17世紀前半期には年貢とともに夫役(ぶやく)を負担した役負(やくおい)百姓をさし,1660~70年代(寛文・延宝期)を境にして高請地(たかうけち)を所持する高持百姓をさすようになる。初期の検地で高請地を名請けした高請農民は,なべて年貢(生産物地代)の負担者とされるが,その中には役人,役家などと呼ばれて夫役(労働地代)を負担する役負百姓と,その負担を免れた無役のものとが含まれていた。…

※「役負百姓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」