よう‐ごう ヤウガウ【影向】
〘名〙 (「よう」「こう」は、それぞれ「影」「向」の
呉音)
① 仏語。
神仏の
本体が一時応現すること。神仏が仮の姿をとって、この世に現われること。神仏が来臨すること。また、姿を見せないで現われること。
※天台大師和讚(10C後‐11C前)「明星漸く出る程 胡僧形を現じてぞ 自行化他に今よりは 影向せんとは誓てし」
② 来臨。おいでになること。また、現われることをしゃれていう語。
※
歌舞伎・傾城三つの車(1703)二「これ
旦那有りがたの影向
(ヤウガウ)」
えい‐ごう ‥ガウ【影向】
※東京年中行事(1911)〈
若月紫蘭〉六月暦「
両人が
霊夢に感じて、神体影向
(エイカウ)の地を発見し」
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デジタル大辞泉
「影向」の意味・読み・例文・類語
よう‐ごう〔ヤウガウ〕【▽影▽向】
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影向 (ようごう)
神または仏が現れること,また神仏が一時応現すること。この場合,神仏が仮の姿となって,この世に現れることを権現という。また姿を見せずに現れることもいう。神仏の影向は,中世の社寺縁起にしばしばみられ,それにちなんだ伝承地は各地に残されている。また,中世の絵画には,神仏の影向を具体的に描いたものが多くみられ,人々は,そのような神仏の具体的な姿を信仰の対象とした。
執筆者:岡田 荘司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
普及版 字通
「影向」の読み・字形・画数・意味
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