彩色・綵色(読み)さいしき

精選版 日本国語大辞典 「彩色・綵色」の意味・読み・例文・類語

さい‐しき【彩色・綵色】

〘名〙
① (━する) いろどること。物に色を塗って飾ること。また、そのいろどり。着色。さいしょく。
※勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章「如綵色無一レ膠」
今昔(1120頃か)一七「寿久聖、此の地蔵の本縁を聞て、悲び貴むで、更に綵色を改め奉て、房に安置して」 〔江淹‐雑体詩〕
② 彩色に用いる顔料絵の具。しみのもの。
※令集解(701)賦役「古記云。彩色謂雑丹也」
随筆・柳庵雑筆(1848)二「衆分と云は、彩色(サイシキ)より三度の晴までを云ふ」
④ (「いろえ」に「彩色」の漢字を当てて音で読んだ語) 能で、大鼓、小鼓、笛または太鼓の囃子(はやし)シテが静かに舞台を一巡する舞。また、その囃子。謡曲の主要部分のクセの前に舞われることが多い。「楊貴妃」「桜川」など。
能楽の特殊演出(小書(こがき))の一つ。一曲の舞の部分を「イロエ」に替えたり(「西行桜」「羽衣」など)、たんに「イロエ」を一曲のうちに入れて舞ったりする演出(「江口」「恋重荷(こいのおもに)」など)。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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