当麻都比古神社(読み)たいまつひこじんじや

日本歴史地名大系 「当麻都比古神社」の解説

当麻都比古神社
たいまつひこじんじや

当麻山口神社摂社として本殿左右に配祀。祭神彦坐ひこにます皇子と当麻氏の祖麻呂子まろこ皇子。「延喜式」神名帳葛下郡の「当麻都比古神社二座」と伝える。江戸時代の当麻寺付近古図(高津家蔵)によると、当麻集落のほぼ中央、当麻寺への参道南側、春日神社近辺に当麻都比古神社が記されている。式内当麻都比古神社は永く所在不詳で(「大和志」など)、当麻山口神社への配祀年代も不明。明治二四年(一八九一)の「神社明細帳」に初めて山口神社境内社であることを記す。

当社は土着の男女二神を祀った産土神と考えられ、おそらく後に当麻氏の氏神として祭祀されたものであろう。一説に仁寿三年(八五三)の創祀とする。「三代実録」貞観元年七月一四日条には、諸社に使者を遣わして神宝幣帛を奉らせた時、当麻真人清雄をもって当麻社使としたことがみえ、この社が当麻氏の氏神であったことが推察される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android