強直(読み)きょうちょく

精選版 日本国語大辞典 「強直」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ちょく キャウ‥【強直】

〘名〙
① (形動) 心が強く正直なこと。意志が強く心がまっすぐなこと。また、そのさま。剛直。〔春秋左伝‐襄公三〇年〕
② (━する) かたくこわばること。
史記抄(1477)一四「若は冬月に寒にをかされて卒然として眩暈、口噤じ、四肢強直」
関節を構成する骨、軟骨、関節嚢などの病変による運動障害をいう。関節強直
※育児読本(1931)〈田村均〉三五全身に強直性(キャウチョクセイ)痙攣が起り」

ごう‐ちょく ガウ‥【強直】

〘名〙 筋肉などが収縮してこわばること。硬直。きょうちょく。

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デジタル大辞泉 「強直」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ちょく〔キヤウ‐〕【強直】

[名](スル)
かたくこわばること。硬直。ごうちょく。「筋肉が強直する」
関節強直のこと。
強縮きょうしゅく
[形動][文][ナリ]意志が強く正直なさま。剛直。「強直人物
[類語]1硬直堅いこわ硬質堅硬生硬かちかちがちがちかちんかちんこちこちハードかたさ硬化剛性ごつい厳つい剛直不屈剛毅剛健堅固確固強固強靭タフ不退転不撓ふとう不屈堅忍不抜剛毅豪胆大胆大胆不敵不敵放胆豪放豪快磊落らいらく肝が据わる肝っ玉が据わる・腹が据わる度胸が据わる

ごう‐ちょく〔ガウ‐〕【強直】

[名](スル)きょうちょく(強直)1

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「強直」の意味・わかりやすい解説

強直
きょうちょく

通常では関節強直のことをいい、関節の変形、機能不全を意味する。従来は関節が一定の角度のままに固着し、不動の状態となることをさしていたが、現在では、関節の角度には関係なく、関節に原発する変化によって、その可動性が障害されている状態を意味して使われる。関節以外の変化によるものは関節拘縮(こうしゅく)とよばれて、強直とは区別されるが、実際には両者の区別は容易でないため、関節の可動性が制限されている両者を硬直と一括される場合もある。原因としては、先天性、外傷(捻挫(ねんざ)、骨折、関節内傷、関節化膿(かのう)など)、関節疾患(急性関節炎淋菌(りんきん)性関節炎、リウマチ熱、関節結核、関節リウマチなど)、関節の持続的静止(大腿(だいたい)骨骨折の治療による膝(ひざ)関節の持続的静止状態など)があげられている。こうした原因から、関節の相対する面が種々の程度に結合組織あるいは骨で癒着しあい、可動性が制限されているわけである。強直の状態によりマッサージ、矯正、牽引(けんいん)などの治療が行われるが、骨の癒着などによる強直の場合は、手術的方法、すなわち筋膜、皮膚などの物質を可動性にした関節面の中間に挿入する関節形成術が必要となる。治りにくい強直を残さないように予防することが、関節疾患の整形外科的治療においては重要である。

[渡辺 裕]

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普及版 字通 「強直」の読み・字形・画数・意味

【強直】きようちよく

剛直。

字通「強」の項目を見る

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