強制カルテル(読み)きょうせいカルテル

精選版 日本国語大辞典 「強制カルテル」の意味・読み・例文・類語

きょうせい‐カルテル キャウセイ‥【強制カルテル】

〘名〙 (カルテルはKartell) 国家により強制的に結成されるカルテル。統制経済産業育成恐慌対策などを進めるために行なう。

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デジタル大辞泉 「強制カルテル」の意味・読み・例文・類語

きょうせい‐カルテル〔キヤウセイ‐〕【強制カルテル】

政府が強制的に結ばせるカルテル。恐慌対策や中小企業経営の安定がおびやかされるような場合などに実施される。

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改訂新版 世界大百科事典 「強制カルテル」の意味・わかりやすい解説

強制カルテル (きょうせいカルテル)

法律により強制的に結成されるカルテル。恐慌や戦争に際して国家権力によってしばしばとられる産業政策で,1930年代の大恐慌期にはドイツ,イタリア,アメリカ,日本等の各国で結成された。日本では1925年の輸出組合法,重要輸出品工業組合法,31年の重要産業統制法(以上はカルテル助成法),あるいは38年の国家総動員法にみられる。第2次大戦後は独占禁止法により原則として禁止されたが,少数アウトサイダー阻害により中小企業経営の安定や経済の発展に著しい支障があると認められるときは,中小企業団体法(正称は中小企業団体の組織に関する法律),環境衛生法等により国家が当該業種の事業者すべてに一定の事業活動の規制に関する命令(規制命令)を発することができることになっており,これは実質的に強制カルテルである。
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