弛張（読み）シチョウ

デジタル大辞泉

し‐ちょう〔‐チヤウ〕【^×弛張】

［名］(スル)
１ ゆるむことと張ること。
「音の高低や―につれて」〈寅彦・春寒〉
２ 寛大にすることと厳格にすること。「弛張よろしきを得た政治」

ち‐ちょう〔‐チヤウ〕【^×弛張】

［名］(スル)「しちょう（弛張）」の慣用読み。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

し‐ちょう ‥チャウ【弛張】

〘名〙

① ゆるむこととはること。

※菅家文草（900頃）五・弓「烏号得_二旧弓_一、業在_二弛張名_一」

※春寒（1921）〈寺田寅彦〉「音の高低や弛張につれて私の情緒も波のやうに動いて行った」

② ゆるやかなことときびしいこと。寛大と厳格。緩急。

※三代格‐一・貞観格序（869）「秦漢不_レ易_二其民_一、弛張非_レ一」

※松井本太平記（１４Ｃ後）一九「異国には趙盾、吾朝に、義朝、其外、泛々(はんはん)たる類、勝(あげて)計(かぞ)ふべからず、用捨偏なくして、弛張(シちゃう)有_レ時、明王の撰_レ士徳也」 〔韓非子‐解老〕

ち‐ちょう ‥チャウ【弛張】

〘名〙 (「弛張(しちょう)」の慣用読み)

① ゆるむことと張ること。寛大と厳格。

※太平記（１４Ｃ後）二〇「孫権は弛張(チチャウ)時有て士を労らひ衆を撫でしかば」

② 実際に病気が軽快するのでなく、一時的に症状が減退すること。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【弛張】しちよう（ちやう）

緩急。〔礼記、雑記下〕張りて弛めざるは、武も能くせざるなり。弛めて張らざるは、武も爲さざるなり。一張一弛は、武のなり。

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出典　平凡社「普及版 字通」