引潮・引汐(読み)ひきしお

精選版 日本国語大辞典 「引潮・引汐」の意味・読み・例文・類語

ひき‐しお ‥しほ【引潮・引汐】

〘名〙
潮汐(ちょうせき)によって海面が低下すること。また、海岸線が沖の方へ引き下がること。下げ潮。干潮落潮涸潮
太平記(14C後)一一「情なの引塩(シホ)や、立も帰らで漕舟を浦より外に誘らん」
② ひきさがるべき時機。退きどき。退くころあい。
譬喩尽(1786)五「喧嘩口論等は双方に理無にしもあらず、しからば能き引塩(ヒキシホ)あるべし」
③ 引く時機。引き上げるころあい。
※評判記・色道大鏡(1678)一四「若貞心なる女によせ合せては、釣の糸の引塩(ヒキシホ)あり」
物事がだんだん衰えてゆく傾向。衰微に向かうさま。
※諷誡京わらんべ(1886)〈坪内逍遙〉一「世間信用、やうやう退潮(ヒキシホ)ありさまとはなりける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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