弓杖(読み)ゆんづえ

精選版 日本国語大辞典 「弓杖」の意味・読み・例文・類語

ゆん‐づえ ‥づゑ【弓杖】

〘名〙 (「ゆみづえ(弓杖)」の変化した語)
① 弓を杖とすること。杖として弓を用いること。また、その弓。ゆづえ。
平家(13C前)九「河中より弓杖(ユンヅエ)〈高良本ルビ〉をついておりたったり」
※高野本平家(13C前)八「ふくりう寺縄手は、はたばり弓杖(ユンツエ)一たけばかりにて、とほさは西国一里也」

ゆみ‐づえ ‥づゑ【弓杖】

〘名〙 弓を杖の代用とすること。また、その弓。ゆんづえ。ゆづえ。
※栄花(1028‐92頃)音楽「赤き衣著たる者出で来て、ゆみづゑをしてただ打ちに打てば」

ゆ‐づえ ‥づゑ【弓杖】

弁内侍(1278頃)寛元四年一一月二〇日「ゆつえの音までもさえとほりて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「弓杖」の意味・読み・例文・類語

ゆん‐づえ〔‐づゑ〕【×杖】

《「ゆみづえ」の音変化》
弓を杖とすること。また、その弓。ゆづえ。
「―を突いて生田の森の逆茂木さかもぎを上り越え」〈平家・九〉
弓丈ゆんだけ」に同じ。
「―五杖ばかり」〈太平記・一〇〉

ゆ‐づえ〔‐づゑ〕【×杖】

ゆんづえ」に同じ。
「―の音までもさえとほりておもしろきに」〈弁内侍日記

ゆみ‐づえ〔‐づゑ〕【弓×杖】

ゆんづえ」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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