式三献(読み)しきさんこん

精選版 日本国語大辞典 「式三献」の意味・読み・例文・類語

しき‐さんこん【式三献】

〘名〙 (「しきさんごん」とも) 酒宴作法一つで、最も儀礼的なもの。饗宴で献饌ごとに酒を勧めて乾杯することを三度繰り返す作法。三献
上井覚兼日記‐天正三年(1575)一二月九日「式三献参候、御手長申候」
[語誌]中世以降、特に盛大な祝宴などでは「三献」では終わらず、献数を重ねることが多くなり、最初の「三献」を儀礼的なものとして、特に「式三献」というようになったものと思われる。

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デジタル大辞泉 「式三献」の意味・読み・例文・類語

しき‐さんこん【式三献】

三献さんこん

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「式三献」の解説

しきさんこん【式三献】

三献。◇「しきさんごん」ともいう。この語は室町時代に用いられるようになったとされる。⇒三献

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の式三献の言及

【本膳料理】より

…室町時代以後,武家社会の礼法の固定化が進むに伴って整えられた饗膳(きようぜん)形式であるが,年代や料理の流派の差によって内容にはかなりの異同がある。一例を挙げると《宗五大草紙(そうごおおぞうし)》(1528)には,初献(しよこん)に雑煮,二献に饅頭(まんじゆう),三献に吸物といった肴(さかな)で,いわゆる式三献(しきさんこん)の杯事(さかずきごと)を行い,そのあと食事になって,まず〈本膳に御まはり七,くごすはる〉とあり,一の膳には飯と7種のおかず,以下二の膳にはおかず4種に汁2種,三の膳と四の膳(与(よ)の膳)にはおかず3種に汁2種,五・六・七の膳にはそれぞれおかず3種に汁1種を供するとしている。また,〈五の膳まで参り候時も,御汁御まはりの数同前〉とも記されている。…

【まんじゅう(饅頭)】より

…室町時代,まんじゅうはひじょうに愛好されたようで,狂言に〈てんじんとも申(もうし),又饅頭とも申て〉とあるように点心の称を独占するほどであった。また式三献(しきさんごん)(本膳料理)の二献目には,汁を添えて出されるのが例ともされていた。 現在のようなまんじゅうの普及が確認できるのは《雍州府志》(1682)からのことで,同書によると当時の京都には浄因の後裔(こうえい)の烏丸の塩瀬,同じく帰化人を祖とする一条の虎屋,そのほかの店が競ってまんじゅうをつくっており,それらはいずれも砂糖を用いた小豆あんを入れるとしている。…

※「式三献」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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