普及版 字通 「式(漢字)」の読み・字形・画数・意味
式
常用漢字 6画
[字訓] もちいる・のっとる
[説文解字]
[字形] 会意
弋(よく)+工。工は呪具。巫祝が左手にもつもので、左・(尋)・隱(隠)・塞などの字に含まれ、神聖を守り、悪邪を祓うのに用いる。〔説文〕五上に「法なり」とし、弋声とする。拭・試・弑はその声義を承ける字で、すべて呪的な行為を意味する。〔書、仲之誥〕「を式(もつ)て、命を受く」、〔左伝、成二年〕「王命を式ひず」のように、一定の規範に従って行為することを「式(もち)う」という。それでまた〔詩、大雅、烝民〕「古訓に是れ式(のつと)る」、〔詩、大雅、高〕「南國に是れ式らしむ」のように用いて法式・規範の意となる。
[訓義]
1. はらう、はらいきよめる。
2. もちいる、きよめもちいる。
3. のっとる、規範とする、のり、てほん。
4. 手本として示す、あらわす。
5. 軾(しよく)と通じ、車前の横木。これに手をのせ、身を伏せて敬礼する。車上の敬礼、敬礼する、敬う。
6. 発語・接続の助詞、ああ、もって、ここに。
7. 試と通用し、もちいる。拭と通用し、ぬぐう。(とく)と通用し、たがう、わるい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕式 シキ・モチ・モツ・シナ・マコト・ヨソホヒ・ホト・ノリ
[声系]
〔説文〕に式声として試・弑・軾など四字を収める。試・弑は式を用いる呪儀、軾はその形を承ける字であろう。
[語系]
式・(飾)sjikは同声。は食事のときに用いる佩巾で、払拭に用いるもの。試・弑sjikも同声。呪具の式を以て祈り、人を死に至らせることを弑という。(殺)は呪霊をもつ獣を殺し、これによって祟(たたり)を減殺(げんさい)する法であり、弑もまたそのような牲獣と、呪具とを併せ用いる法をいう。
[熟語]
式遏▶・式宴▶・式廓▶・式煥▶・式教▶・式刑▶・式仰▶・式事▶・式序▶・式政▶・式瞻▶・式則▶・式典▶・式範▶・式盤▶・式微▶・式法▶・式望▶・式様▶・式礼▶・式車▶・式閭▶
[下接語]
遺式・会式・楷式・格式・儀式・旧式・挙式・矜式・矩式・形式・古式・公式・恒式・作式・準式・遵式・書式・承式・条式・常式・新式・図式・正式・祖式・葬式・体式・定式・程式・範式・憑式・品式・撫式・覆式・方式・法式・要式・様式・略式・令式・礼式・例式
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報