府(漢字)

普及版 字通 「府(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音]
[字訓] くら・つかさ・やくしょ・みやこ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は付(ふ)。〔説文〕九下に「書のなり」とあり、重要な文書は府庫に収蔵した。〔左伝、定四年〕「載書(盟約の書)はして府に在り」、〔左伝、襄十一年〕「して府に在り」のようにいう。列国期の字に貝を加えてに作るものがあり、多く財物を蔵したのであろう。のち政府・官府の意となり、その所在の地をいう。

[訓義]
1. くら、文書を蔵するところ、府庫。
2. つかさ、やくしょ。
3. もののあつまるところ、あつまる、もと。
4. みやこ、まち、やしきまち。
5. 腑(ふ)と通じ、臓腑はらわた、内臓。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕府 タツ・アツム・スミカ・アツマル・シルシ・タスク・アマリナリ・カナフ・トル・クツ・モト・タダス・タタル・クチタリ

[声系]
〔説文〕に府声として腐を収める。また腑も府声。臓腑は諸器官を蔵するところ。また腐敗の速やかな部分である。

[語系]
府・腑pioは同声。〔説文〕に腑の字なく、膽(胆)字条四下に「肝をぬるの府なり」とあって、古くは府をその字に用いた。

[熟語]
府尹・府院府掾・府学・府館・府君・府庫・府史・府司・府寺・府主・府署府然・府蔵・府第・府宅・府治・府中・府朝・府邸・府庭府帑・府兵・府望府吏府廩
[下接語]
陰府・怨府・開府・外府・学府・楽府・官府・義府・旧府・宮府・御府・胸府・玉府・軍府・京府・芸府・公府・国府宰府・三府・私府・首府・書府・署府・相府・上府・城府・心府・水府枢府・政府・仙府・泉府・膳府・倉府・蔵府・大府・台府・知府・智府・天府・都府・内府・入府・覇府幕府・藩府・秘府・兵府・文府・謀府・明府・冥府盟府幽府・六府・霊府

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android