広長舌(読み)こうちょうぜつ

精選版 日本国語大辞典 「広長舌」の意味・読み・例文・類語

こうちょう‐ぜつ クヮウチャウ‥【広長舌】

〘名〙
① 仏、転輪王三十二相一つ。広く長く、柔軟で、のばしひろげると顔面をおおって髪のきわにまで及ぶという舌。
往生要集(984‐985)大文四「出広長舌、放万億光」 〔法華経‐如来神力品〕
② 転じて、とうとうと説く巧みな弁舌。大いに弁ずること。多弁。雄弁。
※毒朱唇(1890)〈幸田露伴〉「広長舌(クヮウチャウゼツ)糜爛(びらん)する程息巻いて」

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デジタル大辞泉 「広長舌」の意味・読み・例文・類語

こうちょう‐ぜつ〔クワウチヤウ‐〕【広長舌】

長広舌ちょうこうぜつ」に同じ。
仏の三十二相の一。仏の舌が広く長いこと。嘘偽りのない相とされる。大舌相

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世界大百科事典(旧版)内の広長舌の言及

【舌】より

…舌は再び生え,直ちに繰り返し抜かれる等の責苦にあうとされる。仏教でいう十悪のうち,うそをつく,二枚舌をつかう,悪口を言う,無駄口をたたくの四つが舌または口に関係し,《大集経》によれば阿弥陀仏はこの四つの過ちを犯さぬようにと広く長い舌(広長舌。長話をする意で使われる〈長広舌をふるう〉の長広舌はこれが転じたもの)を得た。…

※「広長舌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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