幼年時代(読み)ようねんじだい

精選版 日本国語大辞典 「幼年時代」の意味・読み・例文・類語

ようねん‐じだい エウネン‥【幼年時代】

[1] 〘名〙 幼年の頃。幼年である時期。
※新刊岡山孤児院(1898)〈石井十次〉五「時代教育とは幼年時代(六歳以上十歳まで)は遊ばしめ、少年時代(十歳より十六歳まで)は学ばしめ、青年時代(十六歳より二十歳まで)は働かしむるの方針にして」
[2]
[一] (原題Djetstvo) 自伝小説トルストイ作。一八五二年発表。トルストイの処女作で、すぐれた心理描写と克明な記憶によってみずからの幼年時代を描く。「少年時代」「青年時代」とともに三部作をなす。
[二] (原題Djetstvo) 長編小説ゴーリキー作。一九一四年成立。ゴーリキーの、父の死にはじまり母の死に終わる五歳から一〇歳までの悲運の日々を、少年の澄んだ目で描く。「人々のなか」「私の大学」とともに三部作をなす。
[三] (原題Eine Kindheit) 中編小説。カロッサ作。一九二二年刊。一六章からなる自伝風な作品で、幼年期を自己存在の序章とみなし、中学校入学までの子どもの意識を成人の英知を通して回想する。

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デジタル大辞泉 「幼年時代」の意味・読み・例文・類語

ようねんじだい〔エウネンジダイ〕【幼年時代】

《原題、〈ドイツEine Kindheitカロッサの自伝的小説。1922年刊。一開業医の子が日常生活の中で出会う、のちの人生を決定づける諸体験を象徴的につづる。
《原題、〈ロシアDetstvoレフ=トルストイの処女作。1852年発表。「少年時代」「青年時代」へと続く、自伝的三部作の第1作。
《原題、〈ロシア〉Detstvoゴーリキーの自伝小説。1913年から1914年にかけて刊行。「人々の中」「私の大学」とともに三部作をなす。
室生犀星の自伝的短編小説。大正8年(1919)8月「中央公論」誌に発表。「性に眼覚める頃」「或る少女の死まで」とあわせ3部作をなす。NHKでドラマ化されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幼年時代」の意味・わかりやすい解説

幼年時代
ようねんじだい
Eine Kindheit

ドイツの作家 H.カロッサの自伝小説。 1922年刊。バイエルン医師息子に生れた作者の 10歳までの経験を抒情的に綴ったもの。カロッサの一連の自伝的作品の第1作。

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デジタル大辞泉プラス 「幼年時代」の解説

幼年時代

NHKのテレビドラマ「少年ドラマシリーズ」の作品のひとつ。放映は1976年1月。原作:室生犀星の同名小説。脚本:石堂淑朗。出演:宮廻夏穂、二木てるみほか。詩人・室生犀星の生い立ちと成長を描く。

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