普及版 字通 「幻(漢字)」の読み・字形・画数・意味
幻
常用漢字 4画
[字訓] まどわす・まぼろし
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
予の倒文。〔説文〕四下に「相ひ詐(いつは)りて惑はすなり。反予に從ふ」とし、〔書、無逸〕「民、胥(あ)ひ張(ちうちやう)して幻(げん)を爲すこと或(あ)る無し」の文を引く。相幻惑することをいう。金文の字形は糸の上端にほつれの見える形。もし予の倒文とすれば、予は杼(ひ)の形。その倒文は、経緯(けいい)が乱れ紛乱する意となる。それより幻惑・変幻、また幻化・幻術の意となったのであろう。〔漢書、西域伝〕に幻人を眩人に作る。幻・眩の間に、声義の関係があろう。
[訓義]
1. みだれる、まどわす、たぶらかす。
2. かわる、真幻のほどが知られない、まぼろし。
3. 眩と通じ、まどう、てじな。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕幻 マボロシ 〔字鏡集〕幻 マボロシ・マホル
[語系]
幻huan、眩・()・hyuen、衒kiuanはみな声義が近い。絢xyuenも声義近く、紛乱し、して、ものが乱れ明らかでないことをいう。一系の語である。
[熟語]
幻▶・幻影▶・幻化▶・幻怪▶・幻覚▶・幻偽▶・幻戯▶・幻境▶・幻形▶・幻工▶・幻忽▶・幻師▶・幻視▶・幻術▶・幻象▶・幻身▶・幻人▶・幻世▶・幻設▶・幻想▶・幻灯▶・幻魄▶・幻泡▶・幻沫▶・幻夢▶・幻滅▶・幻杳▶・幻▶・幻惑▶
[下接語]
虚幻・如幻・誕幻・浮幻・変幻・泡幻・夢幻・妖幻
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報