年波(読み)としなみ

精選版 日本国語大辞典 「年波」の意味・読み・例文・類語

とし‐なみ【年波】

〘名〙
① 年がつみ重なっていくことを、波が幾重にも寄せるのにたとえていう語。また、年が寄ることを波がおし寄せるのにたとえてもいう。重なる歳月や経てきた年数
式子内親王集(12C末‐13C初)「としなみの重なることをおどろけばよなよな袖にそふ氷かな」
読本椿説弓張月(1807‐11)残「よる年なみに生れ得し、大胆いよいよ愚にかへて」
② 肌にでる皺(しわ)
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉霧の夜「折角白粉で隠した年波がありありと見えすく」

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デジタル大辞泉 「年波」の意味・読み・例文・類語

とし‐なみ【年波】

年齢が重なるのを波にたとえていう語》年を取ること。また、経て来た年数。「寄る年波には勝てない」
「目にみえぬ―が一年々々若さを奪って行くことにも」〈秋声縮図

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