年(漢字)

普及版 字通 「年(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ネン
[字訓] みのる・とし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
禾(か)+人。禾は禾形の被りもので稲魂(いなだま)。これを被って舞う人の姿で、祈年(としごい)の舞をいう。男女相偶して舞い、女には委という。低い姿勢で舞う。子供の舞う字は季。農耕儀礼に男女が舞うのは、その性的な擬行為が、生産力を刺激すると信じられたからである。〔詩、周頌、載(さいさん)〕は、神饌を供する神田における耕の儀礼を歌うもので、「其のに思媚す 依たる其の士(をとこ)り」とは、そのような男女の舞をいうものであろう。豊年を予祝する舞であるから「みのり」の意となり、一年一熟の禾であるので、一歳の意となる。夏には歳、殷には祀、周には年という。歳・祀はともに祭祀の名。その時期や期間の関係から、年歳の意となった。年は稔(ねん)。〔説文〕七上に「、孰(じゆく)するなり」とし、千(せん)声とするが、卜文の字形では下部を人に作る。熟穀の意には稔の字を用いる。

[訓義]
1. みのる、みのり、穀物
2. とし、一とせ、よわい。
3. とき、そのよ。

[古辞書の訓]
名義抄〕年 トシ/去年 コゾ/年來 トシゴロ

[語系]
年nyenは稔njimと声義近く、〔説文〕にいずれも「、孰(じゆく)するなり」とみえる。いずれかといえば、稔は動詞として、年は年歳の意に用いることが多い。また年に古く佞nyengと通用することがあり、〔公羊伝、襄三十年〕「天王、其の弟年夫をす」の〔釈文〕に「年夫、は佞(ねい)。二傳は佞夫に作る」という。女舞の委に依媚の意があり、男舞の年にも、そのような声義があったのであろう。

[熟語]
年位・年運・年永・年家・年稼年華・年・年関・年顔・年紀・年耆・年期・年祺・年義・年誼・年朽・年魚・年鈞・年兄・年計年月・年倹年限・年考・年庚・年荒・年高・年・年行・年光年号・年穀・年歳・年災・年殺・年菜・年載・年矢・年祀・年歯・年時年次・年爵・年弱・年首・年酒・年寿・年終・年春・年所・年少・年侵・年深・年衰・年世・年盛・年祚・年租・年多・年代・年秩・年長・年朝・年登年頭・年徳・年年年輩・年髪・年晩・年尾年表・年鬢年譜・年物・年暮・年耄・年芳・年豊・年・年妙・年命・年夜・年余・年幼・年来・年例・年齢・年老・年労
[下接語]
年・永年・益年・越年・延年・往年・華年・遐年・改年・隔年・学年・季年・祈年・紀年・耆年・期年・旧年・窮年・凶年・享年・経年・年・迎年・行年・後年・高年・曠年・今年・歳年・昨年・残年・若年・弱年・終年・旬年・初年・小年・少年・浹年・上年・新年・尽年・衰年・生年・成年・青年・盛年積年前年・早年・壮年・送年・卒年・他年・稚年・中年・長年・年・椿年・丁年・定年・停年・天年・当年・同年・馬年・晩年・比年・弥年・平年・編年・保年・暮年・芳年・豊年・忘年・没年・毎年・万年・妙年・余年・幼年・翌年・来年・流年・累年・例年・暦年・連年・老年

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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