普及版 字通 「干(漢字)」の読み・字形・画数・意味
干
常用漢字 3画
[字訓] たて・ふせぐ・おかす・ほとり
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
長方形の盾(たて)の形。〔説文〕三上に「犯すなり」と干犯の意とするが、盾は身を護るもので、金文の〔毛公鼎〕に「王の身を干吾(かんぎよ)せよ」とあり、扞(かんぎよ)の意。金文の〔小臣宅〕に戈と合わせて、「畫干戈九」を賜うことがみえる。方形の盾に画飾を加えたものは(周)、その飾を(彫)・雕という。円形の盾には羽飾りなどをつけて單(単)の形にしるし、戰(戦)・獸(獣)(狩の初文)などはその形に従う。
[訓義]
1. たて。
2. ふせぐ、まもる。
3. おかす、もとめる、みだす、もとる、たがう。
4. かかわる、あずかる。
5. 岸・と通じ、きし、たに、ほとり。
6. 乾と通じ、かわかす、ほす。
7. 竿と通じ、さお。
8. 奸と通じ、くるう、たわける。
9. 幹と通じ、十幹十二枝、干支の意に用いる。
10. 箇と通じ、不定数を若干という。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕干 ヲカス・モトム・ユク・ツクル・ヲハル・ホトリ・ホス・カハク・ミル・ツネ・アト・ツクス・サヲ・ホコ/干 ソコバク
[部首]
〔説文〕に(じん)・(ぎやく)をこの部に属する。は用例なく、字義が明らかでない。は大(人の正面形)の倒さまにした形で、向こうより人の来ることをあらわす。
[声系]
〔説文〕に干声として・訐・刊・旱・岸・扞・奸・軒など二十八字を収める。干声の字に強悍の意をもつものが多いようである。旱声の字にもその義がある。
[語系]
干kanは名詞。扞・hanはその動詞形。xan、岸nganは角ばったところ、悍han、奸kanは悍悪。keanとも声近く、「ほとり」の意に用いる。
[熟語]
干羽▶・干謁▶・干越▶・干嘔▶・干戈▶・干▶・干紀▶・干休▶・干係▶・干乾▶・干▶・干索▶・干支▶・干遮▶・干▶・干殳▶・干証▶・干将▶・干霄▶・干渉▶・干擾▶・干城▶・干色▶・干触▶・干進▶・干請▶・干戚▶・干掫▶・干沢▶・干黷▶・干▶・干突▶・干犯▶・干飯▶・干媚▶・干舞▶・干▶・干冒▶・干旄▶・干没▶・干名▶・干与▶・干予▶・干誉▶・干預▶・干揚▶・干乱▶・干闌▶・干欄▶・干櫓▶・干鹵▶・干弄▶・干禄▶
[下接語]
河干・画干・学干・江干・支干・若干・十干・上干・水干・総干・舞干・満干・野干・闌干・欄干
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報