帷幄(読み)いあく

精選版 日本国語大辞典 「帷幄」の意味・読み・例文・類語

い‐あく ヰ‥【帷幄】

〘名〙
① 帷と幄。たれまく(とばり)と、ひきまく(あげばり)。幕。とばり。
万葉(8C後)一七・三九六五・題詞「独臥帷幄之裏、聊作寸分之歌、軽奉机下、犯玉頤」 〔史記‐封禅書〕
② (昔、陣営にたれまくとひきまくをめぐらしたところから) 作戦計画を立てる所。本営。本陣。
※高野本平家(13C前)七「策(はかりごと)を帷幄の中に運(めぐ)らして」 〔漢書‐高帝紀〕

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デジタル大辞泉 「帷幄」の意味・読み・例文・類語

い‐あく〔ヰ‐〕【××幄】

垂れ幕と引き幕。幕。
《昔、陣営に幕をめぐらしたところから》作戦を立てる所。本営。本陣。

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普及版 字通 「帷幄」の読み・字形・画数・意味

【帷幄】い(ゐ)あく

とばり、軍営。〔韓非子、喩老〕天下無にして攻休(や)まず。相ひ守ること數年にして已(や)まず。甲冑蝨(きしつ)生じ、燕雀帷幄に處(を)る。

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世界大百科事典(旧版)内の帷幄の言及

【帷幄上奏】より

…旧陸海軍の統帥機関が統帥事項(軍令事項)に関して首相(国務大臣)の輔弼(ほひつ)を経ずに直接天皇に上奏すること。帷幄とは,陣営に用いる幕の意から転じて,作戦計画をする場所を意味した漢語。その実質は法制化される以前,1878年の参謀本部の太政官政府からの独立で始まり,85年太政官制廃止にともなう内閣職制によって参謀本部長の帷幄上奏権が認められていた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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