帰山(読み)きさん

精選版 日本国語大辞典 「帰山」の意味・読み・例文・類語

き‐さん【帰山】

〘名〙 (「きざん」とも)
僧侶自分の寺に帰ること。
太平記(14C後)一七「大宮へ降り下て三塔会合しける。大衆上下、帰山(キざん)して」
故山に帰ること。帰郷。〔白居易‐早送挙人入試詩〕
③ 山に帰ること。
春夏秋冬‐春(1901)〈正岡子規編〉「初午や帰山かなはぬのら狐〈梅村〉」

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デジタル大辞泉 「帰山」の意味・読み・例文・類語

かえる‐やま〔かへる‐〕【帰山】

福井県中部、南越前町から敦賀市へ通じる峠一帯の呼び名。[歌枕
「―ありとは聞けど春霞立ち別れなば恋しかるべし」〈古今離別

き‐さん【帰山】

[名](スル)僧が自分の寺へ帰ること。

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日本歴史地名大系 「帰山」の解説

帰山
かえるやま

古くから多くの歌や紀行文にみえるが、その位置については諸説あって定かでない。

<資料は省略されています>

「能因歌枕」以下諸歌学書にみえる歌枕で、「和歌初学抄」が「カヘルニソフ」と注するように、「帰る」にかけて詠まれる。「枕草子」の「山は」の段にも「いつはた山」と並んで「かへる山」があげられている。「太平記」巻二七には上杉重能・畠山直宗の越前配流を記して「敦賀ノ津ニモ身ヲ寄セテ、袖ニヤ浪ノ懸ルラン。

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普及版 字通 「帰山」の読み・字形・画数・意味

【帰山】きざん

故山に帰る。また、道家で死をいう。唐・賈島〔楽山人の易水を弾ずるを聴く〕詩 朱絲弦底、燕泉なり 燕將の雲孫白日に彈ず 氏(秦帝)山に歸して、陵已に掘らる 聲聲ほ帶ぶ、髮、冠を衝(つ)くを

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