帯解(読み)おびとき

精選版 日本国語大辞典 「帯解」の意味・読み・例文・類語

おび‐とき【帯解】

〘名〙 (付け帯を解き除いて、普通の帯に代える意) 幼児がこれまでしていた付け帯をとり、初めて普通の帯を用いる祝い。室町時代上流階級では、はじめ男女とも九歳であったが、のち男子は五歳から九歳までの間、女子は七歳のとき行ない、七五三と不可分の関係にあった。期日は、一一月の吉日から酉(とり)の日、一五日となった。おびなおし。ひもおとし。ひもとき。ひもなおし。ひぼなおし。帯解きの祝い。帯直しの祝い。《季・冬》
随筆・折たく柴の記(1716頃)上「帯とき、袴着(はかまぎ)などいふ事共も、その年比(としごろ)をも待つに及ばず、戸部のみづから帯をもとき給ひ、袴をも調ぜさせて、きせ給ひたりき」
[補注]この祝いをする年齢やその始まりには諸説がある。「貞丈雑記」は、男女五歳で行ない、「諸大名出仕記」には、九歳で行なうとある。また、大田南畝の「一話一言」では、江戸では女子が七歳で、上方では後水尾院の年中行事に、九歳の皇子皇女にあったとし、武家は七歳という。

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百科事典マイペディア 「帯解」の意味・わかりやすい解説

帯解【おびとき】

子どもに初めて帯を用いる祝い。子どもを恵方(えほう)に向かって立たせ,付帯(付紐(ひも))のない着物を着せて帯を結ぶ。室町時代すでに行われ,ふつう男子は5歳,女子は7歳11月15日に行うことなどからみて,七五三の祝いと密接な関連をもつと考えられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帯解」の意味・わかりやすい解説

帯解
おびとけ

奈良市南部の旧町名。奈良盆地東縁の上街道に沿う今市が中心集落。安産地蔵として参詣者の多い帯解寺があり,地名もこれに由来。今市かぶらの原産地近年,住宅地化が進んでいる。 JR桜井線に駅名が残る。

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