帯・佩(読み)おびる

精選版 日本国語大辞典 「帯・佩」の意味・読み・例文・類語

お・びる【帯・佩】

〘他バ上一〙 お・ぶ 〘他バ上二〙 (古くは四段活用。→帯ぶ)
① 身につける。着用する。携帯する。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
今昔(1120頃か)二六「年五十許なる男の怖し気なるが、水干装束して、打出の大刀帯たり」
② 雨露などを身に受けて持つ。
※枕(10C終)三七「梨花一枝、春、雨をおびたり」
任務などを身に負う。引き受ける。
※やみ夜(1895)〈樋口一葉〉一二「大会に幹事の任を帯(オ)びて」
④ 細長くまわりにまきつける。めぐらす。
※詩学大成抄(1558‐70頃)二「狼の性がけなげでつをいほどに、糞も狼の気ををびてつをいぞ」
※和英語林集成(初版)(1867)「ヤマガ クモヲ obiru(オビル)
⑤ ある色、味、様子、性質などをその中に含む。
※和英語林集成(初版)(1867)「ウレイヲ obitaru(オビタル) カオ。〈略〉コノ サケワ スコシ ニガミヲ obite(オビテ) イル

お・ぶ【帯・佩】

[1] 〘他バ四〙
① 身につける。着用する。
書紀(720)継体七年九月・歌謡「やすみしし 我が大君の 於魔(オバ)せる 細紋(ささら)の御帯(みおび)の 結び垂れ」
② 任務などを身に負う。引き受ける。
出雲風土記(733)巻末記「国造(くにのみやつこ)にして意宇(おう)の郡の大領(おほみやつこ)を帯(おび)たる外正六位上勲十二等、出雲臣広嶋」
③ 細長くまわりに巻きつける。めぐらす。
万葉(8C後)一七・四〇〇〇「その立山常夏に 雪降りしきて 於婆(オバ)せる 片貝川の 清き瀬に 朝よひごとに 立つ霧の」
④ ある色、味、様子などを少し含む。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「月の光を受けて些し蒼味を帯んだ瓜実顔に」
[2] 〘他バ上二〙 ⇒おびる(帯)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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