帝国議会[ドイツ](読み)ていこくぎかい[ドイツ](英語表記)Reichstag

翻訳|Reichstag

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帝国議会[ドイツ]」の意味・わかりやすい解説

帝国議会[ドイツ]
ていこくぎかい[ドイツ]
Reichstag

(1) 神聖ローマ帝国議会。フランク王朝時代の宮廷会議を前身とする。初め帝国議会皇帝によって指名された諸侯が重要事項について諮問を受け,任意に会議を開いたが,時代とともに構成員を増し,12世紀からはしばしば招集されるようになった。 1356年の金印勅書によって7選帝侯の制度を確立してのち,ドイツの連邦的性格が強まると,議会には選帝侯のほか大小の諸侯,帝国都市などが参加し,多数決によって議決する資格を得た。帝国議会に出席の資格あるものを帝国等族といった。 1489年からは選帝侯,諸侯,帝国都市の三部会に分れた。その後,宗教改革時代にかけて,帝国議会は政治的に重要な役割を演じたが,三十年戦争を経て,帝国議会は実際的機能を喪失する。 63年以後,レーゲンスブルクで常設的に開催されたが,諸侯の出席はなく代理外交官によるいわゆる使節会議であり,1806年完全に消滅した。 (2) ドイツ帝国成立の 1871年,普通選挙により議員が選出され,成立した帝国議会。連邦参議院と並ぶ帝国の立法機関であったが,新帝国は依然として連邦制を維持し,諸邦の代表により構成された連邦参議院が事実上ドイツ帝国の最高機関であった。したがって立法は参議院が発議し,帝国議会を通過した法案承認および拒否権は参議院にあった。しかも責任内閣制がなく,多数党政府を組織するようなものではなかった。 1918年 11月ドイツ革命によって消滅した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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