デジタル大辞泉
「布」の意味・読み・例文・類語
ふ【布】
1 ぬの。「敷布」「葛布」
2 布銭。
にの【▽布】
「ぬの(布)」の上代東国方言。にぬ。
「筑波嶺に雪かも降らる否をかも愛しき児ろが―乾さるかも」〈万・三三五一〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ぬの【布】
〘名〙
① 麻・苧
(からむし)・葛
(くず)などの繊維で織った織物。絹に対していう。
後世は木綿をも加え、絹および毛織以外の一切の織物をいう。
※
古事記(712)中「其の
王子は布
(ぬの)の
衣褌(きぬはかま)を服て、既に
賤人(やつこ)の形に為りて」
② ①と絹の総称。
③ 建築で、語の上に付けて平ら・水平・横・平行などの意を表わす語。「
布羽目」「
布竹」
ふ【布】
〘名〙
※
続日本紀‐養老七年(723)二月己酉「給
二戸頭百姓、種子各二斛、布一常、鍬一口
一」 〔
儀礼‐士喪礼〕
※杏の落ちる音(1913)〈
高浜虚子〉一五「明治新銭譜などを参考し乍ら緑雨は系統的に刀
(とう)・布
(フ)などの話から姶めた」 〔
周礼‐
天官・外府〕
にの【布】
〘名〙 「ぬの(布)」をいう上代東国方言。にぬ。
※
万葉(8C後)一四・三三五一「
筑波嶺(つくはね)に雪かも降らる否
(いな)をかも愛
(かな)しき児ろが爾努
(ニノ)乾
(ほ)さるかも」
にぬ【布】
〘名〙 (現在、「の」の甲類の
万葉仮名とされている「怒・努・弩」などを「ぬ」と読んだところからできた語) =
にの(布)※
東雅(1717)七「布〈略〉またにぬともしるすは、にはぬいのひびきあり。ぬににぬのひびきありと見ゆ」
のんの【布】
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)二「
布子(おひえ)の裏をの、布布
(ノンノ)に解て見たらの」
のの【布】
〘名〙 「ぬの(布)」の変化した語。〔かた言(1650)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の布の言及
【ワカメ(若布)】より
…褐藻類コンブ目アイヌワカメ科の食用海藻(イラスト)。ワカメは日本および朝鮮半島沿岸に分布し,日本では,暖流の影響のある北海道の西岸から広く九州まで及ぶ。低潮線付近から漸深部にかけての岩上に生育し,春から初夏にかけて繁茂する。…
※「布」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」