布施(大阪府)(読み)ふせ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「布施(大阪府)」の意味・わかりやすい解説

布施(大阪府)
ふせ

大阪府中東部、東大阪市の一地区。旧布施市。旧大和(やまと)川の本流の長瀬川流域の低湿地地名は、行基(ぎょうき)が飢えに苦しむ人々のために布施屋を設けたことに由来する。水害に苦しめられていたが、18世紀初頭、旧大和川の付け替え後新田が開発され、河内木綿(かわちもめん)の産地となった。大正期に現近畿日本鉄道奈良線や大阪線が通じ、撚糸(ねんし)、鋳物、ゴムなどの零細企業から、ミシン、車両など中小規模の金属・機械工業が発達した。布施駅周辺に商店街が形成されている。一方、旧自然堤防上には近畿大学などの学校が設置され、市の中心となった。大阪中央環状線(府道2号)とそれに重なる近畿自動車道が開通し、金物団地が形成されている。

安井 司]

『『布施市史』全4巻(1962~1967・布施市)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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