布告(読み)ふこく

精選版 日本国語大辞典 「布告」の意味・読み・例文・類語

ふ‐こく【布告】

〘名〙
① 一般に広く告げ知らせること。特に、天皇幕府などが臣下、国民に広く告げ知らせること。
※続日本紀‐神亀四年(727)一一月己亥「新誕皇子、宜立為皇太子、布告百官、咸令知聞」 〔漢書‐高帝紀〕
② 明治時代、明治一九年(一八八六)二月の公文式制定以前に発布された法律勅令省令にあたるもの。太政官布告など。
※幕府御親征の詔‐明治元年(1868)二月二八日「且已に布告せし通り、外国際交も有之上は、将来之処置、尤重大に付」
国家の決定的意思公式に国民に知らせること。また、その法令命令。政府が出す法令。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「両国戦争を布告せんとするにも至りたれども」
④ 国際法上、一国が相手国に対して開戦通告をし、その旨を内外に知らせること。

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デジタル大辞泉 「布告」の意味・読み・例文・類語

ふ‐こく【布告】

[名](スル)
広く一般に告げ知らせること。
国家の決定的意思を、国民や相手国に公式に知らせること。「宣戦布告する」
明治19年(1886)以前に発布された法律勅令省令にあたるものの称。「太政官だじょうかん布告
[類語]告示公示公告宣告発布公布告知宣布触れ広告

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普及版 字通 「布告」の読み・字形・画数・意味

【布告】ふこく

告示。

字通「布」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の布告の言及

【太政官布告】より

…法令形式の整備は,国政の中枢機構であるこの太政官制の形成・確立に照応して進められた。明治新政府が発する法令は,維新当初の御沙汰書の形式から布告,布達,達の形式へと移っていくが,版籍奉還,廃藩置県など一連の政治変革を経て統一国家が形成されるまでの過渡的段階においては,法令の形式・名称は一定していない。1871年(明治4)7月の太政官制の改革にともない,全国一般に布告する制度・条例に関する件は太政官より発令し,その他告諭のごときは主任の官省よりじかに布達するものとされたが,各官省による布告も並行して存在していた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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